017「ムーリケル」

体内ハリー・ポッター


ナオ:先日、Twitterで見かけたニュースで「飲酒前に服用すると血中アルコール濃度を最大70%下げる新たな錠剤が開発された」というのがあったんですよ。

パリ:え! それがもし本当ならすごすぎませんか?

ナオ:ね。私も半信半疑だったんですが、スウェーデンのDFM社という企業が開発した「Myrkl」という錠剤で、「すでにイギリスにて一般販売されており」と書いてある。

パリ:そうなんだ。

ナオ:アルコールが吸収される前に微生物が分解してくれるらしいんです。「1時間で最大70%分解する」だって。

パリ:まぁ、アルコールの分解能力って人それぞれだし、その日の体調によっても変わるし、もちろん、いつでも誰でもきっちりその効果が出るってことはないんでしょうが。

ナオ:ですよね。

パリ:しかし、あえて「きっちり70%分解してくれる」という前提で話を進めると、ちょうど飲み会の時、いつも飲みすぎ酔いすぎで、毎回翌日、「本当は30%くらいで良かったんだけどな〜」と思ってたんですよ。

ナオ:はは。数字がぴったり一致。

パリ:ちょうどいい薬だわ〜。

ナオ:もちろんこのニュースをみて「バカだなー! じゃあ、お酒飲む意味ないじゃん」と思う人もいるでしょう

パリ:うん。

ナオ:その意見、ほぼ正解! が、私なんかもう、酒の分解能力が年々低下していて、でも、相変わらず居酒屋は好きなので、もし本当ならばすごく助かる。

パリ:あとさ、たとえば、家で晩酌するときは帰りの心配しなくていいから薬は飲まないとか、逆に今日はちょっと60%くらい酔ってしまいたい気分だから、錠剤を半分に割って飲んでおくとか、自由自在でしょ。

ナオ:はは。確かにそういう加減も可能か、もはや酒マスター。魔法使いですよね。

パリ:酒が魔法みたいなもんなのにね。魔法対魔法。

ナオ:白魔法と黒魔法みたいな。

パリ:ハリー・ポッターの世界。

ナオ:でも、どっちも自分っていう。

パリ:体内ハリー・ポッター。

ナオ:ストーリー性はまったくない。


無限にある酔いのパターン


ナオ:あと思ったのが、どうしてもお酒を飲まなきゃいけないような仕事、たとえばホストとか、そういう方はもう必須じゃないですか?

パリ:ね。それこそ、うちらも酒場取材の日の前日にちょっと飲みすぎて、今日きついな……みたいなパターンとかありますもんね。

ナオ:本当だ。完全にそうですね。

パリ:というか! よく考えたら取材の時はこれ必須じゃん。飲みすぎて肝心のお店の人の話を忘れることもないし。

ナオ:最近でこそ減ったけど、何軒か続けて取材する時とか、かなり助かる。保険が適用されてもいいぐらいに思えてきた。

パリ:はは。都合いい。

ナオ:と、同時に思うのが、自分だけが30%の酔いの状態ってどんな感じだろうって。

パリ:みんながハイテンションななか、3割くらいしかノリについていけないのか。

ナオ:そうそう。たまに飲み会に自分だけ遅れて参加する時とか「みんな、めっちゃ酔ってるな……」と思う時ありません? なんかしゃべってることもおかしいし……。

パリ:ありますね。というか、逆のほうが多いな。

ナオ:はは。

パリ:「もうだいぶできあがってますね?」って言われるパターン。

ナオ:ああ、ある! で、実際にできあがってる。でも「酔ってます?」って言われるほどじゃないつもりの時もあるんだよなー。

パリ:酔いのパターンって、不思議なほどにいろいろありますもんね。


昨日と今日、どっちの酒?


ナオ:あと、まったく飲んでないのに「飲んでます?」と言われることもあるし。

パリ:あるある! 「いい調子ですね〜!」って。

ナオ:でさ、そういう時に「いや、飲んでないですよ」とも言い切れないというか。それって「昨日の酒は入るのかな?」とか考えちゃって。いつからが今日の酒なのか……。

パリ:あ〜! それ、ちょうど数日前に思ったんですよ。夜中にふと目が覚めて、枕元に飲みかけのチューハイがあって、なんか眠れなくなっちゃってそれを飲んで、「これ、昨日と今日、どっちの酒?」って。

ナオ:はは。小学生に出したいクイズ。クイズというか、道徳の時間のテーマというか。

パリ:「時刻は夜中の3時半、さてどっちの酒でしょう!?」

ナオ:「はい先生! 日にちが変わっているので、今日と思います!」

パリ:「先生! そのあと寝たなら昨日だと思います!」

ナオ:ははは。小学生たち、一生懸命考えさせてごめんよ。

パリ:そうやって世の多様性を学んでほしい。で、「実はその3時半に飲んだの、先生なんだけど、さてどうでしょう?」っていう。やばい道徳の授業。

ナオ:大問題になりそうな。もう、その授業する時点で酔ってる。

パリ:わはは。「先生! 酔っぱらってるから今日の酒だと思います!」

ナオ:「正解!」

パリ:バターン!

ナオ:「寝ちゃった……」

パリ:こんなとき、Myrklさえ飲んでおけばね。

ナオ:はは。そもそも「Myrkl」って、なんて読むんだ? ミラクル?

パリ:マ、ミ……わからないな〜。

ナオ:今検索したら、「スウェーデンの企業であるDe Faire Medicalが開発した二日酔い防止のための錠剤"Myrkl"の読み方は何ですか? 子音ばかりで読めません」と質問してる我々のような人が他にもいて、「ネイティブの読みの音声データはあって『ムーリケル』と聞こえます」と回答している人がいます。

パリ:「ムーリケル」なんだ。

ナオ:「これ以上酔うのは無ー理ケル!」と憶えればいいのかな?

パリ:はは。覚えられね〜! 「もう、無〜理、おれ、帰ぇる!」は?

ナオ:「そんな時にはムーリケル!」

パリ:古くっさいCMでね。「ムーリケルさえ飲めば、マーダイケル!」

ナオ:はは。もう帰れよ!

パリ:しょうもねぇ。

ナオ:でも久々に、胸が高鳴るニュースでしたよ。


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