008「チェアリングソング」
「なにしてるんですか?」
ナオ:パリッコさん、チェアリングのイベントに出てきたんですよね。群馬県でしたっけ?
パリ:そうそう。6年ほど前にお酒がきっかけで知り合った方が群馬県にいて、今は前橋市議会議員になられた、岡さんという方なんですけど。
ナオ:そんなお知り合いが!
パリ:その方がいろいろと地元をもりあげる試みをやってるんですよね。たとえば岡さんのインスタ見ると、いつもいろいろ楽しそう。
ナオ:へー! なんかどの写真も楽しそうですね。
パリ:既存のイメージにとらわれない活動って感じですよね。で、そんな群馬の方々が、チェアリングをおもしろがってくれてるみたいで。
ナオ:ありがたいことだ!
パリ:なんと「前橋総合運動公園」という大きな公園で「チェアリング in MAESOU」というイベントを企画して、そこにトークゲストとして呼んでもらったんです。
ナオ:すごい。けどチェアリングのイベントって、成り立つもんですか?
パリ:これが、どんなイベントかというと、広場にステージっぽい場所があり、その周りに椅子を持ってきた人たちが座って自由に過ごして、あとは地元の方がやってるキッチンカーが来てたり、ヨガの体験があったりみたいな。
ナオ:いいなー! つまり椅子もって座ってたら、周りに楽しいいろいろがある。
パリ:そうなんです! どの駅からもけっこう遠い公園で、僕は散歩がてら両毛線の駒形って駅から歩いて行ったんですね。椅子を担いで小一時間。それで、現地に着いてみたら、広場に見渡す限り100人とか? もっとかも、チェアリングしてる人たちがいて、感動しちゃいましたよ。
ナオ:おもしろい。夢の話みたいです。
パリ:本当です。もちろん、ピクニックシートだったり、そのまま芝生に寝転んでる人もいるし、チェアリストでもテーブルを携えた本格派からいろいろ。
ナオ:最高ですね。それがちゃんと市のイベントとして行われてるんですもんね。すごいな。
パリ:ですよね。別にチェアリングを広めたい! みたいな気持ちでやってきたわけじゃないからよけい、「わはは! 広まってる!」みたいな。
ナオ:はは。けどもう、そのなかにもし自分もいたら、いちばん装備の貧相なやつである自信がある。
パリ:はは。そうそう。まじで椅子しか持ってかないから。
ナオ:先達に教わることになりそうですね。
パリ:「これどこで買った椅子ですか?」「そのグッズ便利そうですね!」
ナオ:「チェアリングのコツってありますか!?」
パリ:わはは。「座ってるだけで楽しいんですか?」ってもう、記憶喪失みたいに。
ナオ:「なにしてるんですか?」
イチローとはわけが違う
ナオ:でもパリッコさんはそのイベントのトークショーに出たんですもんね。
パリ:はい! 広い楽屋テントでひとり椅子に座って出番を待ってたら、あまりの気持ちよさにうとうとしてしまって呼びこみに気づかないというハプニングもあり。
ナオ:ははは。でもまぁ、そのうとうとこそがチェアリングです。
パリ:そうです。そんでまた、群馬の方々の遊びかたがすごいんですよ。公園内プールの屋外シャワーがある近くのエリアにはテントサウナゾーンがふたつ、持ち込みで作ってあってこれも体験したんですが、温度がそれほど高くなくてずっと入っていられる。
ナオ:すごいなー。椅子持って入っていいんですか?
パリ:椅子はよくサウナにあるようなやつが、ぐるっと常設されてるんです。そこがもう談話室みたいになってて、「さっきの明るいおじさん、市長ですよ」みたいな。
ナオ:すごい! なるほどなるほど。
パリ:いわゆるサウナの“ととのい”目的ともまたちがうゆるさ。で、しばらくあったまったら、シャワーを浴びてビニールプールにドボン。
ナオ:うおー!
パリ:で、ビール飲んで、椅子に座って出番待ってるんで。
ナオ:そりゃ寝ますね。リゾートですねもう。そういう場所で、1日寝て起きてって過ごしたい。
パリ:ね。天国でした。
パリ:そもそも僕らって、キャンプとかバーベキューとかの準備やお膳立てができないからチェアリングを始めたわけじゃないですか。
ナオ:そうですね。なにかを成すことが極端に苦手だからこそ行き着いたというか。
パリ:ところがチェアリングがなんだかひとりでに広まり、お膳立てをしてくれる人が現れて、けっきょくなにからなにまでやってもらって、いい思いだけしてるという状況。
ナオ:不思議な話だ。そこに現れるパリッコさんっていうのはどういう存在なんでしょうね?
パリ:きっとほとんどの人が僕のことを知らないんですよね。そこがまた良くて。
ナオ:みんなが野球やってるところに突然やってきた老人が、「そのスポーツ考えたのわしなんじゃ!」って話しかけてくるみたいな。
パリ: わはは! そういう感じ。
ナオ:「へー! あのちょっと、プレイ中ですんで……」
パリ: 「おじいちゃんそこ危ないですよ!」って。
ナオ:「バットと名づけたのもわしなのじゃ」どうでもいいっていう。
パリ:どうでもいいな〜。バットとボール、名前逆でもよかったし。
ナオ:投げたバットをボールで打つ。
パリ:すごい選手とかの話は聞きたいけどさ。イチローが現れるのとはわけが違う。
ナオ:そうそう。
パリ:っていうかまぁ、さすがに「野球」はすごいよ。もしひとりで考えた人がいるのなら。けど「チェアリング」って!
ナオ:はは。そうっすね。野球考えた人は偉い。
パリ:まさにさっきの話ですよ。違う名前でもいい。そもそもずっと前からやってた人たくさんいたし。
「椅子ROOKIES」
パリ:あと今回のことで気づいたというか思ったのが、まだまだチェアリング、おもしろく遊べそうかも、ということで。たとえば、銭湯行ってからとかやったことなくないですか?
ナオ:確かに。外気浴的にね。絶対気持ちいい。
パリ:別にかたくなに身軽にしなくても、「今日は焚き火チェアリングしてみよう」みたいな日もあってもいいかなって。
ナオ:うんうん。チェアリングをもっとしっかり楽しむというか。つうか、我々が雑にしか楽しんでなかっただけか。
パリ:はは。そう!
ナオ:雑でいいのもいいところだけど。
パリ:いつまでたっても初段に昇級できないやつらだった。
ナオ:初段、無理だなー。
パリ:テーブルがあると初段って感じしますかね?
ナオ:そうですね。
パリ:けど重そうだなぁ〜。
ナオ:まあ、なくてもいいもんな……。
パリ:いい、いい。
ナオ:チェアリングがスポーツになったとしたら、ほんと最弱ですよ我々。
パリ: チェアリングという競技が発祥した高校のはずが、今や毎回地区予選敗退の最弱高。
ナオ:最弱高ってすごい。「最高」の間に「弱」が入るだけで、一気に部室で寝てるやつらが浮かぶ。
パリ:ボロボロの椅子が部室のすみに打ち捨ててあってね。いやでも、そこからの「椅子ROOKIES」も見たいです。
ナオ:いいですね! 熱血先生が転入してきて。
パリ:徹夜で、部員の椅子の破れたとこ縫って。
ナオ:勤務時間外に。いい先生だな〜。というか、どうやって戦うのかまったく想像できないですけどね。
パリ:戦いといちばん遠いところにある行為だからなぁ。
ナオ:「ひとつの椅子に5人座ってる! これは高得点だ!!!」
パリ:それ、心地いいか?
ナオ:はは。やっぱり競技からは遠いな〜。だけどそのうちどこかの自由な学校で、「チェアリング部」ぐらいは生まれてもおかしくないのかな?
パリ:おお!それはいい。
ナオ:むしろ絶対に競わないでさ。たとえば各地にチェアリング部ができて、「今度うちの部のおすすめの場所に来ませんか?」って、東北から四国にチェアリングしに行ったり。
パリ:青春〜!
ナオ:競技じゃないから、ただ「良い場所ですねー」って褒めあうだけ。
パリ:最後は友情の証に椅子を交換して。
ナオ:唯一、めっちゃ練習してる野球部からの視線に負けないかだけが勝負どころ。
パリ:はは。どんな場所でも堂々と!
ナオ:「どんな~場所でも~堂々と~♪」
パリ:わはは! 僕も今、自分で言って校歌っぽいなと思いました。
ナオ:ね。
パリ:部歌か。そういえば、「チェアリングソング」という競走馬がいるらしいですね。
ナオ:チェアリングソング、チェアリングしながら鼻歌歌ってるみたいな。
パリ:この世でいちばんのんきなやつ。そのままうとうと寝ちゃって。そのうちちゃんと作りたいですね。
ナオ:テーマソングをね。
パリ:「どんな~場所でも~堂々と~♪ ゴミは必ず持ち帰る〜♪」
ナオ:ははは。歌にする意味わかんない。
パリ:「あぁチェアリング チェアリング 椅子のありが〜た〜み〜♪」
ナオ:それがサビで、2番は「椅子はベッドの下がしまいやすい~♪」から始まり。
パリ:はは、より実践的な情報を。
ナオ:「ウェットティッシュは~便利だな~♪」
パリ:「つまみはのりまきサンドイッチ〜 それとシュウ〜マイ〜♪」
ナオ:はは! 「それと~」じゃないよほんとに。
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